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英国EU離脱(ブレグジット)後、どうなる?

英国EU離脱(ブレグジット)後、どうなる?



英国国民投票で英国のEU離脱(Brexit(ブレグジット))が決定しました。EU加盟国が離脱を決めるのは初めてのことですが、今後どのようなことが起こるのでしょうか?



金融市場への影響

英国のEU離脱に素早く反応するのは金融市場です。ショック的な流れから英国の通貨であるポンドは下落(ポンド安)、有力国の離脱によってEUへの信用不安からユーロも下落(ユーロ安)。また、ポンドやユーロだけでなく他の通貨にも回避の流れが強まり、その資金が比較的安全とされる日本円やスイスフランなどに向かい、日本にとっては円高圧力となります。



離脱のプロセス

国民投票で離脱決定後、英国はEUに離脱を通告します。その後はEU法の規定により2年をメドに離脱の段取りや新たな協定の交渉をします。その間、英国はEU加盟国のままです。



英国の経済成長率への影響

OECDの予測では、英国がEUを離脱した場合、2030年に英国の経済成長率が -2.7 〜 -7.7%下がるとしています。ただし、英国とEUがどのような新協定を結ぶかわからないので、その予測の不確実性は高いと言えます。

英国の名目GDPはEUの2割弱で、英国の輸出の4割以上はEUが占めています。ゆえに、英国がEUを離脱した場合はそれだけ経済に影響が出ることが考えられますし、英国の企業の輸出競争力低下も懸念されます。
加えて、英国のGDPの1割を占める金融業への影響も懸念されます。英国では、ユーロ建てでの金融取引が盛んであるため、英国がEUを離脱したことによって英国に拠点を置くメリットが薄まれば、海外移転が加速する可能性が高くなりますし、英国から資金を逃避させるためにポンド売りの圧力が強まったり、海外から英国への不動産投資の引きあげが加速する可能性があります。



英国がEUを離脱した後の協定

英国は今後、独自にEUや各国と貿易の協定を結ぶことになります。英国とEUが新たに結ぶ協定には「ノルウェー型、スイス型、カナダ型」と、新たな協定の見本となる国があり、英国がどの国と近い協定をEUと結ぶのかに注目が集まります。ノルウェー型、スイス型、カナダ型には、それぞれ条件面で違いがあり、カギとなるのは以下の3つとなります。


  • EU市場へのモノ・サービス・ヒトの自由なアクセス
  • EU法規制の順守
  • EU予算への拠出

英国のこの3つに対してEUと交渉すると考えられます。英国はEU法規制を受けることやEUに予算を払わなければいけないことへの不満があります。さらに英国がより不満を持っているのが移民問題です。EUでは移民の居住や就労の自由が認められていますが、英国は移民を受け入れたことによって労働力が増え失業者が増加したことや、それが社会福祉制度の重荷になっていることに不満が高まってブレグジットに発展したことから、それらを制限したいのです。一方で、英国の主力産業は金融サービスと製造業ですので、EU市場へのモノ・サービス・ヒトの自由なアクセスは確保したいという交渉に入ると考えられます。



ノルウェー型
  • 自由なアクセス ○
  • EU法規制の順守 ○
  • EU予算への拠出 ○
スイス型
  • 自由なアクセス ○(ただし、金融サービスには規制がある)
  • EU法規制の順守 ○
  • EU予算への拠出 △
カナダ型
  • 自由なアクセス △(モノ○ サービス△ 人×)
  • EU法規制の順守 △
  • EU予算への拠出 ×

注目はカナダ型です。
カナダ型はEU市民の自由な移動を制限することができて、EU予算への拠出もありません。また、モノやサービスの移動は交渉次第というタイプですので、離脱派の要求にも近く、英国はカナダ型をベースに独自の協定を結ぶのではないかと考えられます。ただし、上記では新協定を結ぶのは2年がメドと書いていますが、2018年までにフランスやドイツ、オランダで選挙があり、英国のEU離脱の流れが他国に波及することを懸念するEUは、英国に対して安易に妥協案を出さないことが考えられます。よって、交渉は2年以上かかる可能性があります。例として、カナダがEUと結んだ協定の「カナダ型」の場合は4年かかっていました。





EUと貿易協定がまとまらなかった場合

EUと貿易協定がまとまらなかった場合は、WTO(世界貿易機関)の枠組みの中で貿易をすることになります。この場合は高い関税がかかることになりますので経済成長率は大きく下がると予想できます。





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